知っておきたい!介護と福祉
特別養護老人ホーム、グループホーム、サービス付き高齢者向け住宅など、介護施設の種類は多岐にわたります。その中の一つである介護老人保健施設(老健)は、多職種が連携して医療的ケアやリハビリテーション、介護などのサービスを提供し、住み慣れた自宅での生活に戻れるよう支援する施設です。今回は、当法人が運営する「老健はくじゅ」の取り組みについて紹介します。

老健(介護老人保健施設)ってどんな施設?

病院と自宅の中間施設

病院と自宅などの中間施設という位置づけ。在宅復帰を目標とし、医療ケアやリハビリテーションに重点が置かれています。

多様な専門職が常駐

要介護1〜5、病状が安定していて入院の必要はないが、リハビリを必要とする人が対象。医師、看護師、支援相談員、ケアマネジャー、介護職員、管理栄養士、歯科衛生士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士といった多様な専門職が常駐しています。

できることを増やす

利用者の「こうなりたい」という目標に向けて、歩行、トイレ、入浴、身支度、食事、調理など日常生活に必要な動作を練習することはもちろん、手作業やレクリエーション活動を通して「できること」を増やし、退所後も安心して生活が送れるように取り組んでいます。

介護老人保健施設はくじゅの特徴と取り組み

青森県初の老健施設

はくじゅは1988年、青森県初の老健施設として開設されました。サービスの特徴は、退所して自宅に戻った後も、通所や訪問で切れ目なくサービスが受けられること。長期間入所することはできませんが、体調を崩しやすい冬期間だけ入所し、健康管理をしながらリハビリを続けることも可能です。

大切にしているのは、楽しんでリハビリに取り組んでもらうこと。明るくて清潔感のあるリハビリルームでは、専門のスタッフが付き添いながら、利用者が歩行や階段の上り下りの練習をしています。自転車型トレーニング器具などもあり、体力づくりに取り組んでいる利用者もいました。

交流を深める活動も

また、レクリエーション活動の一環として、パラリンピックで注目を集めた「ボッチャ」も楽しめます。白い目標球に向かって、赤または青の柔らかい球を投げて、どこまで目標球に近づけられるかを競うスポーツです。

対戦することで利用者同士の交流が生まれますし、「負けたくない」「もっとうまくなりたい」と意欲が湧いてくるそうです。それにより脳と体力の活性化も期待できます。

一方で、余暇時間の楽しみを見つけるため、花壇作りや野菜作りといった農業体験や、脳トレなどの活動も。手芸が好きな人は、レジンを使ったアクセサリー作りに取り組めます。

そして何よりも、利用者にはくじゅでの生活を楽しんでもらえるよう、お花見や夏祭りといった季節の行事、毎月の利用者の誕生会、車での遠足など、交流を深めて笑顔になれるイベントもたくさん企画しています。

自宅での生活を支援

はくじゅの利用者のほとんどは、住み慣れた自宅への復帰を目指しています。車いす生活だった利用者がリハビリに一生懸命取り組み、自力歩行ができるようになったケースはたくさんあります。

それを支えるのが、さまざまな専門職。一人一人が自分らしく生きていくためには何が必要かを分析し、多職種がチームケアに取り組み、利用者の今後の人生につなげていきます。

住み慣れた地域で再び生活できるよう支援することが、スタッフのやりがいであり、地域におけるはくじゅの役割でもあります。